〜CoQ10とEM菌の二方向アプローチ〜
ステロイド薬は、炎症や免疫反応を抑える強力な効果を持つ一方で、長期使用により「中心性肥満」や「インスリン抵抗性」などの副作用を引き起こすことが知られています。
その背景には、活性酸素(ROS)によるミトコンドリア障害が深く関わっていることが分かってきています。
ステロイドと代謝異常の悪循環
- ステロイドは肝臓で糖新生を強め、血糖を上げます。
- 筋肉や脂肪細胞ではインスリンの働きを妨げ、細胞に糖が届きにくい状態をつくります。
- ミトコンドリアは燃料を受け取れずエネルギー不足に陥り、さらに活性酸素でダメージを受けます。
- その結果、「エネルギーは不足しているのに脂肪は溜まる」という矛盾した現象=中心性肥満が進行していきます。
CoQ10の役割
コエンザイムQ10は、ミトコンドリアの電子伝達系で電子を運ぶ重要な補酵素です。
- ATP産生の効率化:糖や脂肪を燃やす力を取り戻す
- 抗酸化作用:活性酸素によるミトコンドリア損傷を防ぐ
- インスリン感受性改善:研究では血糖やHbA1cの改善も報告
つまり、CoQ10は「ミトコンドリアで燃やせない」問題をサポートし、細胞のエネルギー利用を助ける役割を担います。
EM菌の可能性
一方、EM菌(有用微生物群)は腸内環境を整えるだけでなく、代謝産物に抗酸化作用や抗炎症作用を持つものがあります。
- 活性酸素の抑制:SOD様物質やポリフェノール様物質がROSを中和
- 腸内環境改善:短鎖脂肪酸産生 → 全身の炎症や酸化ストレスを抑制
- インスリン抵抗性の軽減:腸からの炎症シグナルを減らすことで、インスリンの効きをサポート
EM菌は「活性酸素の発生源を減らす」ことで、間接的にミトコンドリアを守る働きを期待できます。
二方向からのアプローチ
- CoQ10 → ミトコンドリアの中からサポート
- EM菌 → 腸や全身から酸化ストレスを抑える
このように、異なる角度からアプローチすることで、ステロイドによる代謝副作用を和らげる可能性が広がります。
まとめ
ステロイド副作用は「糖が届かない」+「燃やせない」ことによって起こるエネルギー危機のようなものです。
CoQ10とEM菌は、それぞれ 細胞内外からミトコンドリアを守り、エネルギー代謝を支える二つの柱として活用できるかもしれません。
ステロイドを使わざるを得ない方にとって、少しでも副作用を和らげ、生活の質を保つ工夫として取り入れていけるテーマだと思います。


