〜酸化ストレスに最も弱い臓器を守る方法〜
脳はなぜ酸化ストレスに弱いのか
脳は体重のわずか2%ほどしかありませんが、全身の酸素の約20%を消費しています。
酸素を多く使うということは、同時に「活性酸素(ROS)」が大量に発生するということです。
この活性酸素は、過剰になると脂質やタンパク質、DNAを酸化し、神経細胞を傷つけます。
さらに脳は、脂質が非常に多く、その多くが酸化しやすい「不飽和脂肪酸」でできています。
それにもかかわらず、肝臓や筋肉のように抗酸化酵素(グルタチオンやカタラーゼなど)が豊富ではなく、
酸化に対する防御力がとても弱い臓器です。
そのため、酸化ストレスによるダメージが蓄積すると、
神経細胞の機能低下やミトコンドリアの障害、
アルツハイマー病やパーキンソン病といった神経変性疾患につながることがあります。
血液脳関門(BBB)という壁
脳を守っているのが「血液脳関門(Blood-Brain Barrier:BBB)」です。
これは血液中の有害物質が脳に入らないようにする防御システムですが、
同時に多くの栄養素や抗酸化物質まで通りにくくしてしまいます。
脳に届くためには、次のような条件を満たす必要があります。
- 脂溶性である(油に溶けやすい)
- 分子量が小さい(400以下程度)
- 特定の輸送体を利用できる
この条件を満たす抗酸化物質だけが、脳に「直接作用」できるのです。
脳に届く抗酸化物質
以下は、代表的な抗酸化物質とその特徴です。
- アスタキサンチン:脂溶性でBBBを通過しやすく、脳の脂質膜を強力に保護します。
- αリポ酸:容易に脳へ入り、グルタチオンを再生して細胞の酸化を抑制します。
- PQQ(ピロロキノリンキノン):ミトコンドリアの新生を促進し、神経保護作用があります。
- CoQ10(ユビキノン):やや通過しにくいものの、ミトコンドリア膜を保護します。脂溶性型を選ぶと効果的です。
- レスベラトロール:SIRT1を活性化して抗炎症・抗老化作用を示します。
- ビタミンE(トコフェロール):脂質の酸化を防ぎますが、通過性は限定的です。
- ビタミンC:単体では通過しにくいが、酸化型(デヒドロアスコルビン酸)では一部通過します。
- ケトン体(β-ヒドロキシ酪酸):BBBを自由に通過し、脳の代替エネルギー源になります。
この中でも特に「アスタキサンチン」「αリポ酸」「PQQ」は、
直接的に脳の酸化ストレスを抑制する力が強いことで知られています。
間接的に脳を守る抗酸化物質
BBBを通過しなくても、間接的に脳を守る働きを持つ抗酸化物質もあります。
体全体の炎症や酸化を抑えることで、結果的に脳への負担を軽減します。
- ポリフェノール・EM発酵代謝産物:腸内環境を整え、腸-脳相関を介して炎症シグナルを抑える。
- NAC(N-アセチルシステイン):体内でグルタチオンを合成し、脳内抗酸化力を間接的に高める。
- ビタミンC・B群:神経伝達物質の合成を助け、ストレス耐性を高める。
このように、「直接作用する物質」と「間接的に支える物質」の両方を取り入れることが、
脳の健康を保つうえで重要です。
Vielight × MCTオイル × CoQ10の相乗効果
実際の臨床現場では、以下のような組み合わせが理論的にも非常に有効です。
- 赤色光照射(Vielight):光がシトクロムc酸化酵素を活性化し、ミトコンドリア機能を高める。
- MCTオイル→ケトン体:BBBを通過して脳の代替エネルギー源となる。
- CoQ10・PQQ・αリポ酸:ミトコンドリア膜を保護し、酸化スパイラルを防ぐ。
この三位一体のアプローチは、
「脳のエネルギー供給」と「抗酸化防御」の両面から働きかける、非常に理にかなった方法です。
まとめ
- 脳は人体で最も酸化ストレスに弱い臓器。
- BBBを通過できる抗酸化物質は、脳に直接作用する。
- BBBを通らなくても、腸やミトコンドリアを介して間接的に脳を守ることができる。
- 光刺激(Vielight)、MCTオイル、CoQ10などの併用は、ミトコンドリア保護に効果的。
脳の酸化を防ぐということは、
「意識・思考・感情の健全さを守る」ことでもあります。
日常の食事や呼吸、光の取り入れ方を通して、
脳の電子バランスを整える意識を持つことが、これからの時代にますます重要になるでしょう。

