ミトコンドリアは健康の土台
私たちの体を動かしているエネルギーの源は、細胞の中にある「ミトコンドリア」です。
ここで作られるATP(エネルギー通貨)が足りなければ、脳も筋肉も心臓も正常には働けません。
近年の研究で分かってきたのは、多くの病気の背景にミトコンドリアの機能低下が関与しているということです。
神経疾患、糖尿病、心疾患、がん、免疫異常など、ほとんどの慢性病に共通して「エネルギーの不具合」が見られます。
電子が漏れると何が起こる?
ミトコンドリアの中には「電子伝達系」という仕組みがあり、食事から得た栄養を分解し、電子を流すことでATPを生み出しています。
本来は電子がスムーズに酸素へ渡されて**水(H₂O)**になるのが正常です。
ところが異常が起きると、
- 電子が途中で「漏れる」
- 漏れた電子が酸素と結合して「活性酸素(ROS)」が生まれる
という流れになります。
つまり順番としては、
①電子が漏れる → ②活性酸素ができる という順序です。
活性酸素と異常電位
活性酸素は周囲の分子から電子を奪ってしまいます。
その結果、細胞や膜に「電子不足」が起こり、電気的なバランス=電位が乱れることになります。
この「異常電位」は次のような影響を及ぼします。
- 神経細胞では信号伝達の乱れ(しびれ・震え・認知機能低下)
- 心筋ではリズム異常(不整脈や心不全)
- 筋肉では収縮のコントロール不良(硬直や脱力)
- 免疫細胞では誤作動(慢性炎症や自己免疫)
経穴とのつながり
東洋医学では、体のエネルギーの流れを「経絡」や「経穴」と呼びます。
研究によれば、経穴部位は皮膚の電気抵抗が低く、電子が流れやすい場所であることが分かっています。
もしミトコンドリアの異常で電子の流れが乱れ、局所的に異常電位が生じると、
経穴の「滞り」「虚実」「硬結」として現れる可能性があります。
鍼灸や光線療法は、この電子の流れの乱れを整える=異常電位をリセットする働きを持つと考えると、現代医学と東洋医学がつながって見えてきます。
まとめ
- 病気の多くにミトコンドリア機能低下が関与している
- 電子が漏れると活性酸素が発生し、周囲の分子から電子を奪う
- これが「異常電位」として細胞や組織に影響を与える
- 経穴での反応や滞りも、この異常電位と関連している可能性がある
つまり、どんな病気を治すとしても、まずはミトコンドリアを整えることが重要です。
これは細胞レベルの「土台を整える」ことにほかなりません。