私たちの体は無数の細胞から成り立っています。そして、その細胞の中には「ミトコンドリア」という小さな発電所のような存在があります。ミトコンドリアは、生命活動に欠かせないエネルギー(ATP)を生み出すため、健康や病気の根本を考える上でとても重要です。では、私たちの体には一体どれくらいのミトコンドリアがあるのでしょうか?
体の細胞は何個あるのか?
かつては「人間の体は約100兆個の細胞でできている」とよく言われてきました。
しかし近年の研究では、より正確な推定値として 約37兆個 という数が広く受け入れられています。
いずれにせよ、私たちの体は膨大な数の細胞で構成されていることに違いありません。
細胞あたりのミトコンドリア数
細胞1つに含まれるミトコンドリアの数は、細胞の種類や役割によって大きく異なります。
- 赤血球:0個(酸素を運ぶため、自らはミトコンドリアを持たない)
- 肝細胞:およそ500〜2000個
- 心筋細胞:数千〜1万個
- 神経細胞:数百〜数千個
平均すると、1つの細胞に100〜1000個程度のミトコンドリアが存在すると考えられています。
人体全体のミトコンドリア総数
では、全身の細胞数に細胞あたりのミトコンドリア数を掛け算してみましょう。
- 細胞数:およそ37兆個(古い説では100兆個)
- 細胞あたりのミトコンドリア数:100〜1000個
➡ 総ミトコンドリア数は約10¹⁶〜10¹⁷個(数京個)
つまり、私たちの体には数京個ものミトコンドリアが共存していることになります。
ミトコンドリアの重要性
これほど膨大な数のミトコンドリアが、休むことなくエネルギーを生み出し続けています。
逆に言えば、ミトコンドリアの機能が低下すると、体全体のエネルギー代謝が乱れ、疲労・老化・病気の原因につながります。パーキンソン病や糖尿病など、多くの慢性疾患に「ミトコンドリア機能不全」が深く関わっていると考えられています。
数京個あっても病気になるのはなぜか?
ミトコンドリアは膨大な数があるため、多少の不具合なら「予備」がカバーしてくれます。
しかし酸化ストレス、炎症、糖代謝の乱れ、加齢などが重なって、広範囲のミトコンドリアが同時にダメージを受けると、もはや補えなくなります。
特にエネルギー消費の激しい神経細胞や心筋細胞は、ダメージの影響を強く受け、結果として神経変性疾患や心不全といった深刻な病気に結びついてしまうのです。
家庭菜園とミトコンドリアの共通点
私は以前、浮かし家庭菜園に取り組んでいたことがあります。
良い野菜を育てるには「良い土」を作ることが大切で、そのために微生物を意識して土壌を育てていました。
実はこの感覚は、ミトコンドリアの働きにとても似ています。
- 土壌では微生物が有機物を分解し、栄養を循環させる。
- 体内ではミトコンドリアが栄養をエネルギーに変換し、細胞を動かす。
どちらも「目に見えない小さな存在が、全体の生命力を支えている」という点で共通しているのです。
まとめ
- 人体はおよそ37兆個の細胞からできている(古い説では100兆個)。
- 細胞1個には平均100〜1000個のミトコンドリアがある。
- 全身の総ミトコンドリア数は数京個にのぼる。
- それほどの数があっても病気になるということは、全身レベルでよほどのダメージを受けているという証拠である。
- 家庭菜園の土作りと同じように、ミトコンドリアも「見えないけれど大切な基盤」であり、日々の暮らし方で育てていくことができる。


